事務局通信 Vol.88

西武鉄道株式会社は、訪日外国人観光客受け入れ体制の強化を目的に、翻訳対応透明ディスプレイ「VoiceBizⓇUCDisplay」の実証実験を2023年7月10日(月)より西武新宿駅にて開始したと報道がありました。
(西武鉄道HPより抜粋 https://www.seiburailway.jp/newsroom/news/20230705_honyaku/)

景気が低迷する日本ですが、コロナで一時的に減少した外国人観光客の受け入れを強化して国内消費に貢献する狙いということでしょう。
インフォメーションの駅員と客の間に透明なパネルが設置され、それぞれの言語で話した内容がお互いの透明なパネル画面に翻訳されて写されるということです。現在は試験導入で、今秋あたりからの実施を目指しているということです。翻訳機能は商品として登場した最初は使えるレベルとは到底言えない状況でしたが、数年経った今ではかなりのレベルになっています。


AIの飛躍的な進歩もあり、ITの成長加速は目覚ましいものがあります。AIについては様々な考え、危険性も含めて議論があるところです。使う側の人間のモラルや思想性の影響から大きな災いにもなるでしょう。突き詰めればAIを手段として使用する人間の心のありように依るのでしょう。国際的にもそうしたAIの悪活用への規制を設けることが課題となっています。

しかし一方で人々の生活に貢献する可能性は大きいです。総務省は障害者団体などに対してAIやIoTの活用についてヒアリングを行ったり、様々な研究機関や団体が障害者からの視点から活用をすすめるべきと意見を発信しています。総務省ではスマートインクルージョン構想という事業を実施し石川県加賀市で試行されています。すべての人がインクルーシブな社会で生活できるようITなども含めて活用していく試みです。東京都のスマートシティ構想の一環で南大沢の試行事業で意見を八障連としても会員団体より声掛けをいただき参加しました。これもITを含めた街づくりの取り組みです。

以前からタブレットPCで点字をテキストデータで点字としてタブレット端末を通して表現したり、点字でうったメールをテキストデータで文字として相手に送ったりすることはできます。インターネットの情報を読むために音声ガイドや点字への変換は画期的です。また音声の文字お越しの機能も昔に比べると飛躍的に日常で活用できるレベルになっています。
先日、zoomで文字お越し機能を使用しましたが、数年前ならアメバTVの文字お越し機能は誤訳ばかりでしたが(これも試行的な学習機能を搭載した試みかと思います)、今は無料で使用できる文字お越し機能でもかなりのレベルに達しています。ソフトバンクが映像に映った手話を文字に翻訳するサービスを試みています。AIに学習させて翻訳機能を向上させるためにユーザーの参加を集めています。(ソフトバンクのHP https://www.suretalk.mb.softbank.jp/HP )他にもこうした試みをしている企業はあるかと思います。

未曽有の高齢化社会を迎える日本ですが、人口が多い都市部の私たちの生活でもその影響がいよいよ顕著に表れています。運動の後継者、職員のなりての無さなど若い世代がいなく高齢化を迎えています。私が所属しているB型事業所など作業を行いますが、職員の高齢化が進む一方、重い荷物を持たないといけないことでの体の負担、故障ということが課題となっています。これについても、今は笑い話になるように見えても、重い荷物をもつ動作をサポートするロボットスーツなどを当たり前に使用する日常が目の先にあると思います。パラリンピックなどパラスポーツが八王子が盛んになってきていますが、AIをはじめITを活用した義足や脳神経に直結した身体フィジカルの活用が競技としてどこまで認められるのか、という線引きがもうすぐ課題になるかと思いますし、既にそうした取り組みがあると思います。
そういった意味ではAIの登場により、その影響を福祉の現場でも考えることが予想よりも遥かに早く対応を迫られている状況があると思います。

いつの世も制度の変化、価値観の変化を常に求められますが、「何のために」に営みが行われるのかということは根底にある一貫したテーマになるかと思います。そういった意味では障害当事者の視点を中心において街づくりを思考する試みは重要に思います。(文責:事務局 有賀)